リディア
リディアはインド=ヨーロッパ語系のリディア人が前7世紀の半ばに建てた王国で、首都サルデスを中心に対外交易によって栄え、世界最古の金属貨幣をつくったことで知られる。
p. 27
ヘロドトスは「リューディアー王朝の興亡から『ヒストリアイ』を書き始めた。そして第一巻の六節から九四節にわたるこの興亡史は、全巻の中でも、最も物語的色彩の濃い…[略]…箇所である。」*1『歴史』の記述はすべて鵜呑みにはできないとはいえ、「リュディア人は…[略]…金銀の貨幣を鋳造して使用した最初の民であり、また小売制度を創めたのも彼らであった。」*2というのは事実らしい。リディア人は陸上の交易に力を注ぎ、交通網の開発と整備に伴う経済システムの改革が貨幣による交換を生んだ*3と考えられている。