shaitan's blog

長文書きたいときに使う.

十の五乗根

mathneko.hatenablog.com

2^{10}=1024>1000=10^3…(*)を使って簡単に評価してみる。
(*)の両辺を\dfrac25乗して2^4>10^{1.2}。両辺を10で割って10^{0.2}<1.6
また、(*)の両辺を-\dfrac35乗して2^{-6}<10^{-1.8}。両辺に100を掛けて10^{0.2}>\dfrac{100}{64}=1.5625


もっと計算を頑張れば更に厳しい評価が可能であろう。機械的に求めたいならば対数の計算をするのが良い。対数の十進展開の求め方は高木貞二『解析概論』pp. 187f.[§52]や杉浦光夫『解析入門I』pp. 203f.[第III章§4問題4),5)]などを参照のこと。


[追記]
いわゆる一般化二項定理を使っても良い。
2^{10}=10^3(1+0.024)に同様の変形を施して、10^{0.2}=1.6(1+0.024)^{-\frac25}
ここで、(1+0.024)^{-\frac25}=1-\dfrac25\cdot0.024+\dfrac7{25}\cdot0.024^2-\cdots(各項の絶対値が単調減少する交代級数)を2項目まで拾って1.58464<10^{0.2}、第3項は0.0002以下なので10^{0.2}<1.58464+1.6\cdot0.0002=1.58496となるので、小数第三位まで求まる。なお、級数を3項目まで拾うと小数第五位まで求まる。こちらの級数で項数を多く取る方が対数計算より直接的だし計算量の割に精度を出しやすそうな気がするなあ。