今日のゾロアスター教
今日なおイランの一部ではゾロアスター教徒が信仰を続けている。
p. 31
イランに残留したゾロアスター教徒の他に、迫害によりインドへ逃れたゾロアスター教徒(パールスィー)がおり、今に至るまで信仰を守っている。*1パールスィーは経済的に成功しており、「『インド亜大陸のユダヤ人』の異名をとっている。」*2一例を挙げると、タタ財閥の創業家もゾロアスター教神官の家系である*3。
マニ教
3世紀のバビロニアに生まれた宗教家マニ Mani(216頃~276頃)は、ゾロアスター教とユダヤ教、キリスト教、ヘレニズムのグノーシス主義、さらには仏教とを混合させてマニ教を起こした。
p. 31
マニ教は「ゾロアスター教をもとにキリスト教と仏教の諸要素を加えて創設した折衷的宗教」*4と説明されることもある。しかし、「自分の思想を練り上げるために活用した思想は実に幅が広い」*5とはいえ、マーニーは「ユダヤ・キリスト教系教団の出身[で、]…[略]…現在では、ゾロアスター教や仏教的な要素は壮年期以降の伝道の過程で吸収していったもので、マーニーのオリジナルの思想にはほとんど影響を及ぼしていないと考えられている。」*6