shaitan's blog

長文書きたいときに使う.

名古屋大1962年前期理系問題4

g(x)=f(2x+1), h(x)=\dfrac{g(x)+g(-x)}2とおく。h(x)は三次以下の偶関数なのでax^2+bとおくと、
\displaystyle\int_0^1f(x)\mathrm dx=\dfrac12\int_{-1}^1g(x)\mathrm dx=\int_0^1h(x)\mathrm dx
\displaystyle=\dfrac{a}3+b=h\left(\dfrac1{\sqrt3}\right)=\dfrac12\left\{g\left(\dfrac1{\sqrt3}\right)+g\left(-\dfrac1{\sqrt3}\right)\right\}
=\dfrac12\left\{f\left(1+\dfrac2{\sqrt3}\right)+f\left(1-\dfrac2{\sqrt3}\right)\right\}
であるから示された。



存在を示せばいいので求める必要はないが、計算して等号でつないでしまうのが手っ取り早い。試験場だと、線形性からf(x)=x^nの場合だけ考えれば十分として\dfrac{p^n+q^n}2=\dfrac1{n+1}n=0, 1, 2, 3)を解くのが素直か。
問題の元ネタはGauss–Legendre公式。
参考:
manabitimes.jp



[元ネタに忠実な別解]
g(x)=\dfrac{\mathrm d^2}{\mathrm dx^2}\left\{x^2(x-1)^2\right\}とおく。
g(x)は二次式なのでf(x)=h(x)g(x)+ax+bとおける。ただし、h(x)は一次の多項式a,bは定数である。
ここで、\displaystyle\int_0^1h(x)g(x)\mathrm dx = \biggl[h(x)\dfrac{\mathrm d}{\mathrm dx}\left\{x^2(x-1)^2\right\}\biggr]_0^1-h'(x)\biggl[x^2(x-1)^2\biggr]_0^1=0が成り立つので\displaystyle\int_0^1f(x)\mathrm dx =\int_0^1(ax+b)\mathrm dx=\dfrac a2+bとなる。
さて、x^2(x-1)^2x=0, 1で極小となり、その間で極大となるので中間値の定理よりg(x)は実根を二つ持つ。それらをそれぞれp, qとおくと、g(x)x=\dfrac12に関して対称なのでp+q=1となる。また、f(p)=h(p)g(p)+ap+b=ap+b、同様にf(q)=aq+b、これらより\dfrac12\left\{f(p)+f(q)\right\}=\dfrac a2+bとなり、与えられた関係式を満たす。


y=x^2(x-1)^2のグラフが変曲点を二つ持つということなので明らかだが、説明するとなると面倒である。上のが説明になってるかどうかもよく分からん。変なことせずに微分の計算した方がいいのだが、p, qの値を求めないで解こうとするとこんな感じか。



1978年前期文理共通問題1も同様の問題である(積分区間が[-1, 1]となり、被積分関数が5次式になっている。証明ではなく係数を求める問題)。