shaitan's blog

長文書きたいときに使う.

不等式bot[136](東大院試2012数理修士問A02)

(1)
x,y\geq0より(与式)≧0。
x=y=0のとき、(与式)=0でありこれは最小値。
さて、(与式)=\dfrac{x+y}{(x+y)^2+(1-xy)^2}であるから、x+yを固定したとき、xyが最大すなわちx=yのときに最大値をとる。
相加平均と相乗平均の関係から1+x^2=\dfrac13+\dfrac13+\dfrac13+x^2\geq4\left(\dfrac{x^2}{3^3}\right)^{\frac14}なので(与式)\leq \dfrac{2x}{(1+x^2)^2}\leq2x\cdot\left\{4\left(\dfrac{x^2}{3^3}\right)^{\frac14}\right\}^{-2}=\dfrac{3\sqrt3}{8}
x=y=\dfrac1{\sqrt{3}}のとき等号が成立するので最大値は\dfrac{3\sqrt3}{8}

(2)
x, y\geq0, x+y>0として最大値を求める。
(与式)=\dfrac{x+y}{(x+y)^2+(1-xy)^2}\leq\dfrac1{x+y}である。
ここで、0\leq x,y\leq1でないときx+y\geq1より(与式)\leq1なので、(1)の結果と合わせて最大値は\dfrac{3\sqrt3}{8}
さて、ここで(与式)=g(x,y)とおくと、-g(|x|,|y|)=g(-|x|,-|y|)\leq g(\pm |x|,\pm |y|)\leq g(|x|,|y|)(複号任意)であるから、求める最大値、最小値はそれぞれ\pm\dfrac{3\sqrt3}{8}



x=\tan\alpha, y=\tan\betaとおいてもよい。