shaitan's blog

長文書きたいときに使う.

東大2000年後期問題1

(1) 略

(2),(3)
定義よりQ_k(x)=\dfrac{x(x-1)(x-2)\cdots(x-k+1)}{k!}であり、Q_0(x)=1と定義する。
ここで、命題A(k):「x^{k-1}=\displaystyle\sum_{j=1}^kc_jQ_{j-1}(x-1)を満たす整数c_1, c_2,\ldots, c_kがただ一通り存在する」を、kについての帰納法で示す。
A(1)は確かになりたつ。ある整数m以下のkについてA(k)の成立を仮定すると、
x^m=m!Q_m(x)+(m-1\text{次以下の整数係数多項式})であるから、帰納法の仮定よりA(m+1)が成り立つ。
よって数学的帰納法により任意の正整数kについてA(k)が成立する。
ここで、A(k)の整数の組c_1, c_2,\ldots, c_kを使ってR_k(x)=P_k(x)-\displaystyle\sum_{j=1}^kc_jQ_j(x)とおく。
Q_k(x)-Q_k(x-1)=\dfrac{(x-1)(x-2)\cdots(x-k+1)}{(k-1)!}=Q_{k-1}(x-1)および(C)よりR_k(x)=R_k(x-1),\ R_k(0)=0
よって、R_k(n)=0nは非負整数)であるが、R_k(x)k次以下の多項式であるから、これを満たすのはR_k(x)=0のみ。
すなわち、P_k(x)=\displaystyle\sum_{j=1}^kc_jQ_j(x)を満たす整数c_1, c_2,\ldots, c_kが存在する。これによりP_k(x)の存在も示された。
ここで、P_k(x)=\displaystyle\sum_{j=1}^kd_jQ_j(x)とおくと、x^{k-1}=P_k(x)-P_k(x-1)=\displaystyle\sum_{j=1}^kd_jQ_{j-1}(x-1)となるが、A(k)よりd_1, d_2,\ldots, d_kc_1, c_2,\ldots, c_kに一致するから係数の唯一性も示された。これによりP_k(x)の唯一性も示された。